2016年3月8日火曜日

【原油】天然ガス価格は今後更に下落へ

Natural Gas Prices Could Plunge Below $1 Here - 06 March 2016


現在報道では原油価格の下落が多く取り上げられていますが、3月1日に米国での天然ガス価格(ヘンリーハブのスポット価格)が100万BTU(MMBTU)当たり$1.57落下し、1998年以来の最低水準となりました。天然ガス市場は地域毎に価格が異なり、世界の様々な場所で販売されているため、必ずしも全ての生産国が天然ガスの低価格に苦しんでいる訳ではありません。また米国での天然ガス価格は数年前から低い状態が続いていたため、現状が"特別"という訳でもありません。

この天然ガス価格の下落にはいくつか理由があります。まず生産量が史上最高である点です。シェール・リグ数は減少していますが、ガス生産量は2015年9月にピークを打ったものの大きな変化は見られていません。また、在庫も膨れ上がっています。例年であれば天然ガスの在庫は季節で、春と秋に増加し冬に減少しますが、特に今年はエルニーニョ現象のため米国では暖かい冬となりました。最も需要が高まる冬に天然ガス需要が少なかった事が影響して、米国では過去5年平均値よりも36%も在庫が多い状態で冬を終えようとしています。

需要面では、発電用として石炭から天然ガスへ需要が移っているため、ガス価格に対して強気な見方が出来る可能性もあります。ただ生産量が史上最高に近い中で、暖冬により過去数ヶ月における住宅での天然ガス需要はわずか190億立方フィート/日と31年振りの低水準となっています。春の訪れと共に不要になった過剰なガスは在庫へと戻されますので、今後はガス在庫が増える事になります。中部大西洋(ペンシルベニア州のマーセラス・シェール付近)における天然ガスのスポット価格は在庫が再び上昇し始めると$1.21/MMBTUまで下落してますが、更に今後数ヶ月で落下する可能性があります。カナダでは更に$ 1を割り込む可能性があります。

供給面でも価格反転のためには問題があります。天然ガスの生産者は低価格のために未完成にしているガス井戸がいくつもあるという事です。価格が上昇すればそれらを完成させるため供給量が増え、価格の上昇にフタをしてしまう事になります。原油価格が以前の水準に戻る事が厳しく思える以上に、天然ガスの見通しは今後更に悪化すると考えられています。


http://oilprice.com/Energy/Natural-Gas/Natural-Gas-Prices-Could-Plunge-Below-1-Here.html

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