2016年7月27日水曜日

コスト競争力を失った中国と今後

"中国製"はもはや低コストの代名詞ではありません。多くの産業で生産コストを抑え国際競争力を高めるために中国等への生産移転が進められ、中国は"世界の工場"と呼ばれてきましたが近年では状況が変化しています。

生産コストの競争力を決定付ける要素はいくつかありますが、最も大きく影響するのは人件費です。多くの国の賃金上昇率が年2-3%に留まる中、かつて低賃金であった中国やロシアでは10年以 上に亘って年10-20%の上昇が続き、中国の賃金の競争優位性が大幅に低下しています。労働者賃金は、中国の1ドルに対してタイは40セント、インドネシアは8セントとなっており、その結果、中国とASEAN諸国の製造コスト差は下図のように広がっています。

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現在メキシコやインド、インドネシアといった国は中国より生産コストが低い国となっています。米国もまた労働力の競争優位性の高さとエネルギーコストの低さから、近年"低コスト国"と見なされています。中国の生産コスト優位性は米国に比べて5%程しかないと言われており、2004年時点での14%から大きくその差が縮小しています。そしてこの差は今後10年の間に逆転すると考えられています。実際に日本からの対中投資も2015年は前年比で25%以上の減少となっているなど中国離れが加速しており、今後中国が再びコスト競争力を高めるためには、自動化を始めとする製造業の高度化による生産性の向上を図る事が急務となるでしょう。

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